昨今ではスタジオでのレコーディングや、自宅等でレコーディングを行う宅録も増えてきていると思います。
そんなギターのレコーディングの時に、必ず欠かせないのが楽器のチューニングです。
厳密には解放弦のチューニングだけではなく、オクターブチューニングまでしっかりと合わせておく事が重要です。
今回は「ギターのチューニング」という事に焦点を当てたティップとなります。
レコーディング時におけるチューニングの重要性
昨今ではシーケンスを使用した楽曲が多くなっているので、特にギターのチューニングが大切になっています。
シーケンスは100%チューニングが正確なので、ギターのチューニングが合っていないままレコーディングしてしまうと、シーケンスとギターのピッチのズレが顕著に分かってしまいます。
レコーディングで録音したギターのチューニングが合っていない場合は、MelodyneやAuto-Tune、WAVES Tune等で補正は可能ではありますが、修正作業は時間が掛かってしまい効率的ではありません。
また、ギターの同時に鳴っている弦の音の一方を修正ということは不可能ですし、特定の弦の音だけを修正するという作業も効率的ではありません。
ギターは弦が6本(多弦ギターの場合はそれ以上)存在しているため、弦1本1本のチューニングがしっかりと合っていないと、ある特定の弦を弾いた時だけチューニングが狂った状態となってしまいます。
例えば1弦だけチューニングが合っていない状態でレコーディングをしたとします、その場合4〜6弦中心のリフやオブリは問題ないですが1弦を使ったフレーズになった途端にチューニングが狂っているように聞こえてしまいます。
そしてより顕著なのは、オクターブのフレーズの時です。
大前提としてオクターブチューニングが合っているとして、1弦のチューニングが合っていないまま1弦と3弦のオクターブフレーズを弾くと、妙な音のズレが発生し非常に何とも言えぬ不安定なピッチの音となってしまいます。
レコーディングの事前準備
レコーディングに当たり、前日に新品の弦に交換をしておくとチューニングは安定します。
当日の弦交換でも良いですが、前日までの弦交換を行うと弦がしっかりと伸びてチューニングの安定感が増します。
弦を交換する時も、単純に張り替えてチューニングだけではなく、各弦をしっかりと伸ばしてからチューニングをする事が大切です。
弦の交換の後レコーディングまでチューニングをした状態にしておく事で、ネックの状態・ギター全体の状態の維持ができます。
そして弦にも種類がたくさんありますが、ELIXIRのようなコーティングされた弦であればレコーディングで1日持ちますので、新品状態の弦の音を維持したい場合にはコーティング弦がおすすめです。
レコーディング中に気にすべきポイント
ギターのチューニングの重要性については先に記載した通りですが、ギターのチューニングをしっかりと行うことでレコーディングがスムーズに進行でき、まとまりがあり聞き心地の良い曲をレコーディングする事ができます。
特にギターは弾いている中でチューニングが狂ったり、気温などにも左右されやすいので、レコーディングの時はこまめにチューニングをする事が必要です。
チューニングの時間は掛かるにしても、ギターのピッチ修正の時間よりは短いので必ずこまめにチューニングをしましょう。
また、ギターやベース(他にもチューナーを使用する楽器)がチューニングをする場合は、全員で同じチューナーを使用するべきです。
メーカーによって大きな差はないと思いますが、楽器ごとのチューニングのズレを無くすためにも同じメーカー、できれば同じチューナーを使用してチューニングする方が良いと言えます。
そして最近では楽器用のチューナーはクリップ型が多くありますが、振動や周囲の環境で左右されてしまうため、また精度のためにもギターからのシグナルをしっかりと検知できるメーター型チューナーをおすすめします。
チューナーの精度もメーカーや物によって様々ですが、ピッチの正確性を求められるレコーディングの現場ではより精度の高いチューナーの方がおすすめです。
まとめ
レコーディングは録音した音が残るものなので、最高の状態で最高の音を録音できるように、下準備としてチューニングを正確にしっかりと行う必要があります。
CPR STUDIOではチューニングに関して特にシビアに考えているので、感度と速度に定評のあるラック式のKORG DTR-1を導入しています。
また、ギターやベース以外にも、ウクレレ・バンジョー・バイオリン等の弦楽器、木管・金管楽器、シタールやバグパイプ等の民族楽器など、様々な楽器に対応するPeterson StroboPlus HDの用意もあります。
こちらは様々な楽器に対応はもちろん、0.1Hz単位で390Hz~490Hzの範囲の設定も可能なのでかなり厳密なチューニングも可能となっております。
楽器の状態などが不安な場合、またご自身でのギターやベースの調整が難しい場合はCPR STUDIOの1階にギターリペア工房DNS-Draw a New Sound-を併設しており、DNSでリペアマンによる調整を行ってから完璧な状態でレコーディングを行えます。(DNSのご利用の際はご予約をオススメします)
もちろんレコーディングの面でも、皆さんの作品を素晴らしい作品に仕上げるようにエンジニアがお手伝いさせて頂きます。
そして今回ご紹介した情報が皆さんのレコーディング作業において参考になれば何よりです。
【CPR STUDIO】
HP:https://cpr-studio.jp/
Twitter:https://twitter.com/cpr_studio
Facebook:https://www.facebook.com/Cprstudio/
Instagram:https://www.instagram.com/cpr_studio_jp/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCNDqi4o6aFQCaBRXsEyj4eQ