リアンプの仕組みはラインデータをリアンプ専用DIボックスにて逆DIを行いハイインピーダンスに変換後、アンプへ信号を送りアンプから出力される音をマイクで再度録音する手法です。 リアンプを行う事でアンプシュミレーターでは再現出来ない音圧や空気感を収録して他ソースに馴染むことが出来ます。
リアンプのメリットは音作りのみに集中する事が出来る事です。リアンプを行わない場合は演奏と音作りを同時に行う必要があり、2つの作業を行う事で集中力が散漫になりますが、リアンプの場合は音作りのみに集中出来るので細かい部分まで追い込めます。 アンプの選択は勿論、エフェクターやケーブルの選択まで様々なパターンを試すことが出来るので一切の妥協がないサウンドに仕上がります。またレコーディングを宅録環境で行う事で時間に制限なく、皆さんのご都合の良いタイミングでいつでも行えます。 デメリットとしてはレコーディング時はライン録りで行っているので、細かいニュアンスの収録が難しく、またアンプ直録りに比べてADDAや接点が増えるのでノイズなどが増える可能性があります。宅録で録りを行う際にディレクションする方がいないと録音テイクの制度が甘くなる可能性もあります。(CPR STUDIOではエンジニアがディレクションを行うことも可能)
リアンプの音質向上テクニック
リアンプを行う際に最も重要なのがライン録りのデータの音質です。 ライン録り段階でS/N(実音とノイズの割合)が悪くノイズが多い場合は必然的にリアンプの際にもノイズが発生します。 ライン録り時に小さいノイズでもリアンプ時には大きなノイズになりますので注意が必要です。 逆にS/Nが良くノイズが少ない場合は多くの信号をアンプやエフェクターに送る事が出来ますので、アンプやエフェクターの持ち味を最大限に活かせるサウンドを生み出します。
ではどのようにしたらS/Nが良いサウンドでライン録りが行えるのでしょうか。 まず最初はDI(ダイレクトボックス)です。 最近のインターフェイスにはHI-Z入力が搭載されている機種が多いですが、インターフェイスのHI-Z入力自体にはそこまでコストが掛けられておらず音質的にロスする事が多いです。 本来のDIで行う精度の高いインピーダンス変換をしてバランス信号を取り込むことでS/Nが良いサウンドで収録出来ます。 定番機種となっているBOSS DI-1、COUNTRYMAN TYPE85、AVALON DESIGN U5を始め、アウトボードのマイクプリに搭載されているDIも非常に精度が高くレコーディング現場で使用されています。 2番目はオーディオインターフェイスです。 リアンプの際にご用意頂くラインデータはDAWでレコーディングされたデジタルデータが殆どで、インターフェイスに搭載されているAD(アナログからデジタル)処理も非常に重要なポイントとなります。 弊社エンジニアがオススメするのはRME Babyface ProやUNIVERSAL AUDIO Apollo Twin MkIIは精度の高いAD処理が搭載されており、多くのプロアーティストからも信頼されています。 3番目はケーブルです。 ギターやベースからDIまでのサウンドを担うのがケーブルでこちらも個体差が大きく、仕上がりを左右するポイントです。 完成品ケーブルではFree The Tone、MONSTER CABLE、OYAIDEが信頼が高く、自作ケーブルも手軽に行えるので作成されている方も多くBELDEN 8412、MOGAMI 2524などがオススメです。 自作ケーブルのオススメはケーブルにBELDEN 8428、コネクタにFURUTECH FP703Gの組み合わせがレンジが広くリアンプ時にロスが少ないサウンドです。 機材が全てではありませんが、品質の高いライン録りを行うには必然的に機材クオリティーが左右します。 一見同じように聞こえるラインデータも全く異なるクオリティーが存在することを覚えて頂けたらと思います。
まとめ
個人でもリハーサルスタジオでリアンプが出来るようにはなりましたが、ブースの吸音周りやマイキングや常設機材などを考えるとレコーディングスタジオでのリアンプをオススメしております。 折角コストを抑えてリアンプを行ったにも関わらず、リアンプを失敗したら元も子もなくなります。 CPR STUDIOでは豊富なアンプやエフェクターをご用意し皆さんのレコーディングをお手伝いさせて頂きます。(オプション楽器参照)
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