ドラムは生楽器の中でも音域が広く、パーツごとに求められるマイキングが大きく異なる楽器です。同じチューニングの効いたスネアでも、マイクの選び方や距離感一つで録れる音の印象は驚くほど変わります。CPR STUDIOでの実際の収録シーンをもとに、キック・スネアからオーバーヘッド、ルームマイクまでのマイキングとチューニングのポイントをご紹介します。
キックとスネア、近接マイキングの基本
アタック感を重視したいキックドラムには、マイクはAudix D6を使うことが多く、ビーター側の打面に近接して立てるのが定番です。タイトな低域とアタックノイズをバランスよく拾えられるのが特徴で、距離やマイクの角度を数センチ変えるだけでアタックと胴鳴りのバランスが変わるため、叩き手のプレイに合わせて微調整します。スネアには耐入力に優れたShure SM57をヘッド上部からやや斜めに向けて立てるのが基本ですが、裏面にもマイクを追加してスナッピーの鳴りを別トラックで録っておくと、ミックス時の音作りの幅が大きく広がります。
タムとチューニングの関係を意識する
タムはヘッドのチューニングによって倍音の出方が大きく変わるパーツです。低すぎるとこもった音になり、高すぎると胴鳴りが痩せてしまうため、曲のテンポやフレーズに合わせて事前に音程を追い込んでおくことが収音の質を大きく左右します。マイクは各タムにSENNHEISER MD421MK2を一本ずつ立てるのが基本形で、アンビエンスとのバランスを見ながら距離を決めていきます。
オーバーヘッドとルームで空間を作る
シンバル全体のバランスと空気感を録るオーバーヘッドには、繊細な高域表現に定評のあるNeumann U87AiやAKG C414B-XLS/STのステレオペアが活躍します。さらに部屋の鳴りを積極的に取り込みたい場合は、JZ Microphones Flamingo Standardなどをルームマイクとして距離を取って設置すると、ドラム全体に自然な奥行きが加わります。近接マイクとルームマイクの音量バランスを現場で聴きながら決めることが、生々しいドラムサウンドを仕上げる近道です。
【CPR STUDIO】
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