レコーディング現場では、ボーカルやギターソロを中心に同じパートを何度も取り直す場面が日常的に発生します。このときにトラックを増やし続けるとセッションがすぐに複雑化してしまうため、Pro Toolsのプレイリスト機能を正しく使いこなすことがプロの現場では不可欠です。今回は、撮り溜めた複数テイクからOKテイク(コンプ)を組み上げるまでの実務ワークフローをご紹介します。
1トラックに重ねない。プレイリストでテイクを独立管理する

Pro Toolsのプレイリスト機能を使えば、1つのトラック上に複数のテイクを別レイヤーとして重ねることなく、それぞれを独立したプレイリストとして保持できます。Loop Recordで回し取りを行えば、パスごとに新規プレイリストが自動作成されるため、ボーカルの何テイクもの取り直しやギターソロの複数パターンも、元テイクを一切消さずに残しながら進行できます。後からの比較検討ややり直しを前提とした設計にすることが、後工程での手戻りを防ぐポイントです。
手動でプレイリストを作成・複製する際のショートカットも覚えておくと作業が一気にスムーズになります。選択中の1トラックに新規プレイリストを作成するにはControl+\(バックスラッシュ)、全トラック(非アクティブも含む)に一括で作成するにはControl+Option+\、選択したトラックのみに作成するにはControl+Option+Shift+\を使います。既存のプレイリストを複製したい場合は、同じキーにCommandを加えたControl+Command+\(全トラックはControl+Option+Command+\、選択トラックのみはShift+Control+Option+Command+\)で行えます。良いテイクがすでに存在する場合は、新規作成ではなく複製から編集を始めると元テイクを安全に残せます。(Windows環境ではControlキーがStartキーに置き換わります)
2プレイリストを高速に比較・選別する

複数プレイリストを額面通り再生して比較するのは非効率的ですが、Option+Command+Shift+上下矢印キーで同じトラック上のプレイリストを順に切り替えながら文脈の中で聴き比べられます。さらにCommand+上下矢印キーによる高速オーディションも併用すれば、ボーカルのニュアンスやギターソロのフレーズ選びなど、微妙な違いを短時間で判断でき、バンドやボーカリストとの検討もテンポ良く進められます。
3ベストテイクをつなぐ。OKテイク(コンプ)の組み上げ方

各プレイリストから良い部分だけを選び、メイントラック上にコピーしてつなげば、複数テイクのいいとこ取りで構成されたOKテイク(コンプ)が完成します。継ぐ部分には短いクロスフェードを入れて接続を自然になじませるのが基本です。元の各テイクは別プレイリストとして残っているため、ミックス段階でクライアントから別テイクへの差し替え要望があっても柔軟に対応できます。
こうしたプレイリスト管理を徹底するだけで、バンドのレコーディングやボーカル収録の現場での取り直しコストを大幅に削減できます。CPR STUDIOでは、こうしたプレイリスト運用を前提としたセッション進行もサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。
【CPR STUDIO】
HP:https://cpr-studio.jp/
Twitter:https://twitter.com/cpr_studio
Facebook:https://www.facebook.com/Cprstudio/
Instagram:https://www.instagram.com/cpr_studio_jp/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCNDqi4o6aFQCaBRXsEyj4eQ